患者さま先日、乳がん検診で両方の胸にしこりがありました。もし乳がんの施術をしたら、乳房再建したいと考えています。両胸の再建は難しいですか？
素輪先生素輪先生の回答・・・
それは心配ですね。両側とは言っても、同時に乳がんが見つかるか、別のタイミングで見つかるかによって状況は変わってきます。
患者さま同時に見つかった場合でも、違うタイミングで見つかっても
再建することはできるんですね！
素輪先生はい、再建できますよ。
同時に乳がんが見つかった場合は、同じインプラントを使用することで、ある程度対称な形や大きさの乳房に近づけることができます。なにより採取部（身体の他の部分から組織などを取る）が必要ないので、身体の負担も少ないと思います。
患者さまでも、片側が部分摘出して、もう片方が全摘とか・・・そうなるとバランスが悪くなってしまうのかしら？
素輪先生そうですね、注意しておきたい点は乳癌切除の時期や方法、残っている組織の状態によって左右の胸に違いが出来てしまう場合もあるということは覚えておいてくださいね。
でも、このような左右差を揃えるのに自費診療になりますが、脂肪移植術という有効な方法があります。
患者さま左右に違いがあっても、脂肪を使って修正することもできるんですね、知りませんでした。ところで両側再建となった場合には自家組織再建は難しいですか？
素輪先生自家組織で左右同時再建もできます。
とはいえ正直とても大変な手術なので、どこの施設でも受けれるわけではありません。いろいろと考えなければならない時期に難しいことかもしれませんが、あなたが再建を希望する施設で技術を持った医師がいるかどうかを調べることはとても大切ですよ。
患者さまそうなんですね。ついつい慌てて決めてしまいそうになりますが、きちんと検討して決めたいと思います。ところで、両側の自家組織再建はどのような方法があるのですか？
素輪先生そうですね、患者さんの希望がある場合は腹部の皮弁を半分に分割して、左右それぞれの胸部で血管吻合して移植する方法で両方の胸を再建することができます。
患者さまお腹のお肉が胸になるんですか？胸の大きさは調節できるのでしょうか？
素輪先生両側の自家組織再建を行う場合、もとの大きさよりも小さい乳房に調整できるという有利な点もありますね。
患者さまもし、乳がんになる時期が違っている場合の乳房再建はどうなるのでしょう？
素輪先生もし、左右が異なったタイミングで乳房再建を行う時は、最初に自家組織で再建している場合、もう片側の再建法がインプラントに限られてしまうことが多いです。ですから左右の再建材料が異なってしまうことになります（例えば右が自家組織、左が乳房インプラントなど）。
患者さまいろいろな状態に合わせた方法があるのですね。
ありがとうございます。
素輪先生そうですね、患者さんの状態に合わせて色々な方法を提案することができます。ぜひ医師や医療者とじっくり相談してみてください。
