インプラントの異物感、どうしたらいい?

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インプラントの異物が気になります、どうしたらいいですか?

患者さま

乳がんの手術後、インプラントで再建しました。ただ、なんとなく異物感があるような気がします。意識しているせいかもしれませんが、この感覚はこれからも続いていくのでしょうか?

素輪先生

素輪先生の回答・・・
そうですね、そのようなお声を聞く事がありますのでお答えしますね。それは異物感や違和感がどのような質であるかや痛みの量によると思います。

患者さま

異物感や違和感に理由があるのですね!詳しく教えて下さい。

素輪先生

はい、乳がんの手術や乳房再建を行った後は皮膚の下の脂肪や筋肉に傷ができている状態です。インプラント再建の場合はインプラントの周囲が傷になっているんですよ。

患者さま

手術によって傷ができているんですね、見えない胸の中はそういう状態になっていることを知りませんでした。

素輪先生

そうなんです。これが一定期間炎症を起こして、その後、瘢痕(傷跡のこと)という形態で組織が収縮して治癒していくというプロセスを経ていきます。

患者さま

傷が治っていく過程で違和感を感じる事もあるなんて・・・想像もしていませんでした。

素輪先生

体質にもよりますが、この時に一時的な術後の組織炎症であれば、通常の瘢痕は術後6か月くらいで改善がみられます。それ以降は次第に柔らかくなり、拘縮(組織が伸縮性を失って固くなること)は軽減されていきます。

患者さま

インプラントの違和感に対しては、長い目で見ていく必要がありそうですね。

素輪先生

なかなか落ち着かない気持ちになるかもしれませんね。今、お話ししたように6か月から1年くらいがインプラント挿入後の一つの目安になります。それ以上経過してもひきつれが改善しない、あるいは悪くなっていく状況であれば、主治医に相談することをお勧めします。

患者さま

ありがとうございます!目安がわかると、医師に相談しやすいです。でも、やっぱり少し違和感が気になる場合に自分で出来る対処法などはありますか?

素輪先生

対処法としては、瘢痕を柔らかくする作用のある内服薬(リザベンなど)や関節の運動障害がある場合などはリハビリテーションに効果がみられることがありますので、主治医に相談してみて下さいね。

患者さま

違和感に関しては自分だけで判断しないで、医師へ相談してみると解決方法が見つかるかもしれませんね。リハビリ以外にマッサージも効果はあるのでしょうか?

素輪先生

マッサージについては議論が分かれるところなんです。私の知る限りではまだエビデンス(科学的な効能の証拠)は示されていません。

患者さま

なるほど!さっそく相談してみます。では、そのほかに違和感の原因って何かありますか?

素輪先生

1年以上経過しても、生活に支障をきたしたり強いストレスを感じる異物感が改善しない場合があります。その時は手術によるインプラント周囲の被膜を取り除くか、皮弁や脂肪組織などの自家組織による入れ替え(自家組織再建)をするという治療を選ぶことも出来ますので、ご相談いただければと思います。

患者さま

再建を決めるときには、身体がどんな反応をするかなんてわからないですものね。でも、せっかく再建した胸ですから失くしたくないですものね。

素輪先生

そうですよね。また最近では、脂肪移植が組織炎症を抑制させ、瘢痕を柔らかくし、術後の違和感や疼痛を軽減させる効果があることが報告されています。今後、脂肪移植がこの問題を解決する鍵を握っている可能性があります。

患者さま

脂肪移植ですか!自分の脂肪を使うであれば、安心感があります。乳房再建はどんどん進化していて驚きです。ありがとうございます。

素輪先生

わからないことは出来るだけ解決して、自分らしい再建をしていきましょう。いつでもお問い合わせくださね。

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