術後のこと
乳房再建後の日常生活への影響や術後メンテナンスについて、 手術前に乳房再建医と十分話し合いましょう。あなたにとって手術後フォローアップ通院 、再建した乳房の自己メンテナ ンス、身体を動かすのに支障がなく、スポーツのパフォーマンスを維持 することはなど、あなたにとって何が大切かを考えて、納得した上で決めていくことがとても大切で重要です。
術後に考えられること
これまで乳房再建について学び、じっくりと考えてくださったことでしょう。ここではあなたが選んだ再建法の術後についてお話ししています。また、納得そして自信を持ってあなたらしい再建を進められるよう最終確認ができるチェック項目も用意してありますので参考にしてください。
最終的に「どんな胸になりたいか・・・」乳房再建を行った後の仕事や家事など生活全般についても想定しながら自身の好みや考え方と照らし合わせて再建方法を検討していきましょう。
また、乳房再建をした後には再建方法それぞれの過ごし方やケアの方法があります。手術創安静、身体のケアのために傷にテーピングを行ったり、バンドなどで術後の固定などを行うことがあるので事前に医師や看護師にどのような準備が必要かを聞いて準備しておきましょう。
インプラントを使った再建の術後
術後の注意点
インプラントで再建された患者様の場合、胸の筋肉を強く動か すことでインプラン トが回転したり、位置がずれたりすることがあります。どのように過ごせばいいのかをあらかじめ医師に相談しておきましょう。
インプラントに破損や変質などの異常がないか、インプラントの周囲に腫瘤(こぶ、固まりのこと)や液体が溜まっていないかを少なくとも 2 年に 1 回の頻度でフォローアップすることが推奨されています。またカプセル拘縮が進行した場合、乳房の変形やひきつれ、痛みなどの症状が出てくることもあります。
おかしいな?と思ったときに、すぐに医師や看護師に相談できるよう事前に連絡方法を聞いておくと安心ですね。
自家組織を使った再建の術後
術後の注意点
自家組織で再建された患者様では、下腹部から採取の場合、術後しばらくは( 1か月程度 ) は腹筋に力が入る動作は身体への負担などを考えて控えた方がよいと考えられます。また、脂肪注入を受けられた方は、胸の筋肉を強く動かすことで脂肪の生着が低下することがあります。身体への負担、胸の形が落ち着くまでの過ごし方や下着についても遠慮なく相談しておくことが大切です。
自家組織で再建した場合、組織を採取した部分の創部が目立ったり、感覚が鈍くなったり、手術前の運動能力に100%戻らない可能性もあります。このような何らかのトラブルが起こり得ることも知っておく必要があります。
気になることや疑問があれば、医師や看護師に相談して再建方法についての不安を解消しておきましょう。
再建への準備はできましたか?
基本的な知識を学び、あなたにとって何を大事にして決めたいかを考えながら読み進めてくださったことでしょう。 あなたにとって大事なことや知識について、もう一度確認してみましょう。情報はあなたにとって十分な知識ですか?選んだ再建法は価値観と一致していますか?
- あなたはそれぞれの選択肢の利益とリスク(危険性)を知っていますか?
- あなたにとって,どの利益とリスク(危険性)が最も重要であるかはっきりしていますか?
- 選択をするための十分な支援と助言がありますか?
- あなたにとって最も良い選択だという自信がありますか?
- 情報はあなたにとって十分で、価値観と一致していますか?
- もっと選択肢について調べる必要がありますか?
- あなたの選択肢について誰かと話し合う必要はありませんか?
- メリットとデメリットのどれが自分にとって最も重要なのか、はっきりしていますか?
納得して自信を持って再建法を選択できるまで、丁寧にゆっくり時間をかけて考えていきましょう。すぐに答えが出ないかもしれません。そんな時は乳房再建クリエイトの内容を読み返したり、経験者の体験を読んだり、または医師や看護師へ相談して準備をしていきましょう。
あなたらしい再建のために
乳房の再建法には、いくつか選択肢があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。 乳房再建クリエイトは、それぞれの選択肢のメリットとデメリットを医学的見解と,ライフスタイル・生活の影響の点から理解していただくことと、あなたがメリットやデメリットの中でどれを最も重視したいと考えているのか、あなたの価値観から考えていただけるように 作られています。
あなたの「あなたらしい乳房再建」を実現させるために、医療者とのコミュニケーションを促進 したり、あなたが知っている情報やあなたの決定に対する考えの整理を手助けになればと思います。乳房再建クリエイトは、基本的で一般的な内容について書かれていますので、あなたの状況 に合わせてどの方法がよいかについてのアドバイスは掲載されていません。あなたの 個別の状況に合わせた方法については、医師をはじめとする医療者と相談することが「あなたらしい乳房再建」の実現にとても大切であることを忘れないでください。